任意後見制度とは
本人が契約の締結に必要な判断能力を有している間に、将来自己の判断能力が不十分になったときの後見事務の内容と後見する人(任意後見人といいます)を、自ら事前の契約によって決めておく制度です。当事者間で合意した内容での公正証書を作成します。
なお、任意後見制度での家庭裁判所の関与は、本人があらかじめ選任しておいた任意後見人を家庭裁判所が選任した任意後見監督人を通じて監督するにとどまります。
もう少し分かりやすく言いますと、今は元気でなんでも自分で決められるけど、将来は認知症になってしまうかも・・・という不安を感じている方が、将来を見越して事前に公証人役場で任意後見契約を結んでおき、認知症かなぁと思った時に家庭裁判所に申し立てをして任意後見監督人の選任をしてもらうといったものです。そして、任意後見監督人は本人が選んだ任意後見人がきちんと仕事をしているかチェックします。
なお、任意後見契約においては任意後見人を誰にするか、どこまでの後見事務を委任するかは話し合いで自由に決めることができます。尚、当事務所に委任される場合、申し立てに関しての諸費用、月額報酬などが必要となりますので、詳しい点はご相談の上で進めたいと思います。
任意後見の費用
任意後見制度は、必ず公証人役場で公正証書を作成する必要があります。公正証書を作成する費用は以下のとおりです。
(1)公正証書作成の基本手数料⇒1万1,000円
(2)登記嘱託手数料⇒1,400円
(3)登記所に納付する印紙代⇒4,000円
この他にも当事者に交付する正本等の証書代や登記嘱託書郵送代がかかります。
任意後見制度のデメリット
任意後見制度は、成年後見等の法定後見制度のように今現在、本人に判断能力の低下がなくても利用することができます。その場合には、判断能力の十分にある段階で委任する相手の資質を見定める必要があると思います。
その点では、私どもの顧問サービスでしたら、月額3,000円の費用で、顧問弁護士、税理士を含めて様々な問題への対応を行いますので、ご利用された上で、任意後見を相談されることもお勧めしています。
法定後見制度とは
現に判断能力が不十分であること場合に、判断能力の程度に応じて「後見」「保佐」「補助」の3種類に分けられ、本人の精神上の障害の程度によって区別されます。後見人や保佐人といった保護者となる人が判断能力の低下した人をサポートしていきます。法定後見人に認められる権限は、「代理権」「同意権」「取消権」の3つの権利が、家庭裁判所の決定で各々付与されるものです。