理研が小保方氏のSTAP論文に対し、再調査を不要と判断したことで、これら問題は法廷へと移ることになるのでしょう。

1,地位確認請求とするなら、1年ごとの有期雇用ですから、通例であれば、あくまで次の更新時までの地位確認があり得るわけですが、どんな意義があるのか不明です。800万円の賃金を得るだけとしたら虚しいように思えます。訴訟がながく続いて、その期をどう見るのか、そこが問題になるのでしょうが、期待権から見ても、まだ3期の更新ですから、次の更新時までの地位確認の説が多数説と考えられますがいかがでしょうか。

2,過去数億円とされる研究費の返還請求については、監督責任、契約の内容など未確定な部分があるので不明ですが、気に掛かるのは、小保方氏の今後から見て、雇用先は国内ではどうなるのかも絡み、小保方氏自身は苦しいところもあります。弁護士的には無問題ですが。

3,小保方氏に対する名誉毀損となると、世界的な発表を行い、公人的な要素を含んでいますから、どうなるか、今後の主張次第でしょうか。

小保方

STAP論文 小保方氏の処分を検討、研究費の返還も 法廷闘争発展の可能    産経新聞5月8日(木)

 理研が小保方氏のSTAP論文に対し、再調査を不要と判断したことで、4月1日に公表された論文に捏造(ねつぞう)と改竄(かいざん)があったとする最 終報告書が確定した。理研は小保方氏に論文の取り下げを勧告し、取り下げられれば、STAP論文の研究成果は白紙に戻る。また、理研は懲戒委員会で小保方 氏の処分を検討。研究費の返還を求める可能性もあるという。

 懲戒委は理研内部に設けられる。内部規定によると小保方氏の場合は、懲戒処分として譴責(けんせき)、減給、出勤停止、諭旨退職、懲戒解雇の5段階が考 えられる。研究不正は原則、諭旨退職か懲戒解雇の処分となると定められており、小保方氏には厳しい処分が下る可能性が高い。

 これらの処分に対し、小保方氏側は対抗策として、地位確認や名誉毀損などの民事訴訟を提起する手段がある。小保方氏の代理人弁護士はこれまで「訴訟も選択肢のひとつ」としており、法廷闘争が展開され、争いが長期化する可能性も出てきた。