マスコミの報道によれば、ゼンショーはすき家の事業を6月から全国7エリアの事業会社に分社化し、人員配置や採用などの権限を委譲するとのことですが、権限を委譲すると表向きでは言ったところで、分社化したことでの経費増と結局は本社を向いた運営が続くわけですから、本質ではなにもかわらないように思います。
ブラック企業の怖いところは、それらの多くは確信犯なことです!政府の施策なりが改善を求めて機能すべきなのですが、どちらかと言えば迎合し易いところがこれら問題の解決を阻害しているように感じます。
人はまさに限りあるものですから、確かに経営と現場が意思疎通を図り、同じ目標をもつべきなのですが、なかなかそうはいかないのが、歯がゆいものです。
しかし、安易に外国人雇用などに走った場合、更に顧客離れを引き起こすリスクがあります。実際に某焼き牛丼チェーンが外国人ばかりの店舗展開の末、崩壊モードを加速させたと言われています。
バイト大量離脱で崖っぷちのすき家 いつまで続く「パワーアップ改装中」 2014.5.25
ゼンショーホールディングス(HD)が運営する牛丼チェーン最大手「すき家」の苦境が続いている。「牛すき鍋定食」を発売した2月以降、アルバイト従業員の大量退職が生じ、人手不足による店舗休業はしばらく解消できない見通しだ。
すき家は他の牛丼チェーンに比べ、少ない従業員で店舗を運営する手法により利益率を高め、年間最大200カ所超の積極出店で事業を拡大。国内外食チェーンとしては「マクドナルド」に次ぐ2000店達成を射程に収めていたが、快挙を目前に成長モデルの転換を迫られている。
長引く「パワーアップ改装中」
午後8時、東京都杉並区の京王井の頭線高井戸駅前。勤め帰りのサラリーマンらが、黄色にライトアップされた牛丼店「松屋」へと吸い込まれていく。だが、環八通りを挟んで斜め向かいに建つ「すき家」の明かりは消えたままだ。
ゼンショーHDは「パワーアップ改装のため3月20日から休業中」と説明する。だが、店内で工事が行われている様子はうかがえない。同HDによると「改装中」の店は全1990店舗のうち137店舗(22日現在)にのぼる。都内の別店舗で働く男性従業員(24)は「人繰りがつかないために『改装』が長引いている店も多い」という。
過酷な「ワンオペレーション」
「お客さまに多大なご迷惑をかけ、申し訳なく思っている」
ゼンショーHDの小川賢太郎会長兼社長は、今月14日の決算会見で陳謝した。
「吉野家」など他の牛丼チェーンでは、1店舗に社員を含む2人以上の配置する。これに対しすき家は、アルバイト1人だけで1店舗を切り盛りする独自の運営手法「ワンオペレーション(ワンオペ)」を導入した。人件費を大幅に抑え、利益率を高める狙いだ。
だが、注文から調理や配(はい)膳(ぜん)、会計、清掃までを1人で行うため、複数の客が訪れた場合、十分手が回らないケースも少なくない。さらに今年2月には吉野家に続き、すき家も鍋メニューを始めた。1食分ずつ小分けして保管する「牛すき鍋定食」は、大鍋で煮込む牛丼に比べ作業の負担が大きく、バイトの一斉退職を引き起こした。
小川会長兼社長は「現場とトップの距離を縮め、意思疎通を図っていきたい」と反省の弁を述べた。