数多くの定款の原案をお預かりして、電子定款を作成している訳ですが、その中で起きる様々な体験を書き残しておきます。これから定款をご自分で作成される際に、少しでも参考にして頂けたら幸いです。
本日は①話目となります・・・。
持ち込まれる定款での電子定款作成
最初に、通例、電子定款を代行している業者さん、行政書士さんのほとんどでは、ひな形をあらかじめ用意しています。ひな形のたとえば、赤字で示している箇所、要するに社名、目的など絶対的記載事項を加筆して、一応の定款の原案は完成出来るわけです。
ところが、お客様が独自で作成、独自といっても、ほとんどは他社のサイトなどのひな形を参考にした場合が多いのですが、作成された定款は<お客様が持ち込まれる定款(原案)>とも称されます。
定款代行業者側での扱いは主に、扱わない、もしくは5,000円~10,000円の加算となります。
もし、その業者さんがお客様の作成された定款を扱う場合では、別途費用加算以外の場合、お客様ご自身で、公証役場の公証人への事前確認を必ずのように義務としています。当然ですが、電子定款代行のみの料金さえ、19,800~30,000円といった業者さんとの比較はしないで下さい!
当事務所では、以下のご選択を頂いた上でお申込を受けています。
1.お客様ご自身で、公証役場の公証人への事前確認
2.当事務所で代行する。もし、修正や再確認を指示された場合のみ、その費用をお支払い頂いています。
定款作成での文言など
お客様ご自身で作成された定款と言いますが、わたしが思うには、本来は、いずれかの見本、ひな形を参考にしてでも、ご自身で作成することに意義もあるように思います。ただし、会社法の少々の学習も必要な気もします。定款自治の立場からは、会社法の原則は原則としても、特に合同会社ですが、定款の自由度が高くなっています。
合同会社でも社員は退社出来ます。では、急に辞められたら、という際の規定はどうされますか?
もしも、出資した方が死亡されたとします。相続はどうなりますか? 相続して会社は継続出来る定款ですか?
もし、相続された方が会社から見て敵対する可能性がある場合には、予防策は採られますか?
様々な問題が生じ得る会社の道筋です。ある意味、子が産まれ、おとなになる過程で起きるであろうことを想定するか、しないか、そんなことを考慮し、定款のひな形を当事務所では考えていこうとしています。
話をもとに戻しますが・・・
お客様が持ち込まれる定款を公証人に当事務所が代行して確認を受けた場合、約7割は問題なく、電子定款が作成出来ます。ただし、3割程度は修正の指示を受けています。その4割の中での7割が再確認の指示を受けます。修正箇所が多いか、もしくは、公証人から、発起人がどのような意味をもってその一文を記載したのかを問われたり、時には、会社法の条文からの解釈を問われる内容が含まれている訳です。
そのような場合では、公証人とのやりとりが数十分にもなります。
更に、お客様にもよってですが、修正箇所の説明を求められたりする事例もあり、その説明だけでも30~50分を要する事例も最近では起きています。
公証人の指示内容への疑問もお聞きする場合もあります。ただ、公証人の指示に従わない場合、その公証人での認証を諦めることとなり得ますので、当事務所では、指示に疑義はお出ししません。
実のところ、修正料金をご請求することは出来ることなら避けたいものです。しかし、お預かりした定款を確認し、公証人、お客様と個々にやりとりする機会があまりに多くなる近々の状況からは、やむを得ない事態とも捉えています。
会社設立、電子定款認証代行をご提供にあたって
お客様の作成された定款を扱うことは大切な業務と考えます。本来、定款をお決めになるのは発起人ご自身であるからです。
しかし、電子定款の代行とは、電磁的定款に拠り、収入印紙40,000円を節約することに主眼が置かれています。
<定款をお預かりし、電子署名し、公証人にオンライン申請する>ことに特化して、業界最低料金をご提案しています。もちろん、<定款作成から電子定款代行>をお奨めもしています。その場合には、修正料金もありませんので、適正な電子定款をご提供します。
次回は、現物出資の話題です。