「再婚禁止期間」は憲法違反! 最高裁大法廷

時代の変遷と共に法律の解釈も変遷・・。「女性は離婚後6カ月間、再婚できない」とする民法規定についての違憲性が争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(寺田逸郎裁判長)は16日、規定は違憲とする初判断を示した。最高裁が法律を違憲と判断したのは戦後10件目。その上で、原告の請求は棄却した。

 大法廷は100日間を超える部分について、違憲だと判断した。

 岡山県内に住む30代女性が平成23年、「再婚禁止期間があるため再婚が遅れ精神的苦痛を受けた」として国に165万円を求めて提訴。1、2審は敗訴した。女性は前夫の家庭内暴力(DV)が原因で20年に離婚。当時、現夫との間の子供を妊娠していたが、離婚後6カ月間、再婚を待たざるを得なかった。

 民法には別に、「離婚後300日以内に生まれた子供の父は前夫」「婚姻後200日後に生まれた子供の父は現夫」とする嫡出推定規定がある。離婚後すぐに再婚を認めると、推定期間が重なるため、女性のみに再婚禁止が課せられた経緯がある。ただ、再婚禁止の原告側は離婚から100日を経ての再婚ならこの「重複」が避けられるため、「推定期間との均衡を考えるなら100日で十分」と訴えてきた。

 平成8年の法制審議会も「100日短縮」を答申したが、保守系国会議員の反対などで実現しなかった。

 再婚禁止期間をめぐってはDNA型鑑定など科学技術の進歩により、完全撤廃を求める声がある一方、法整備が行き届いていないこともあり、「鑑定の利用を最小限に抑制するべきで、撤廃は難しい」との意見もある。