大家さん、または賃貸物件に住んで一度は体験する 「原状回復」

「原状回復」とは、賃貸でお部屋を退去する時に、入居した時の部屋の状態（＝原状）に戻す（＝回復）ということです。

大家さんに退去するの連絡をすると、お引っ越しが終わったあと、お部屋の状態の立ち会い確認があります。

そこで、入居者の責任で傷が付いたり、汚れたりした部分を確認し、それらを直すための工事費用を見積もるのです。 自己負担となる工事費用は、預けていた敷金から差し引かれ、敷金で不足していれば不足額が別途請求となります。
敷金を預けていなければその全額が請求されます。

地域によって、自己負担の対象となる工事に多少の差はありますが、 『故意・過失にかかわらず、つい付けてしまった傷・破損・汚れ』と『クリーニング代』の２点が対象になるケースがほとんどです。

全てを紹介するとキリがありませんが、壁紙の張り替え費用を、どちらが負担すべきかの一例を、原因別でご紹介します。 （注：実際の物件の状態で、責任区分が異なる場合があります）

【入居者負担となるもの】
引越時についたキズ、タバコのヤニ、ペット飼育により付着したペット臭、 カビ（換気が不十分で部屋の管理状態の悪さが原因など）
【大家さん負担となるもの】
冷蔵庫裏の電気焼け、日焼け跡 以下に自己負担の基準が載っていますので、参考にしてください。
社団法人 全国賃貸不動産管理業協会
実は、以前は原状回復の自己負担費用をボッタくるトラブルが多発していました。
その為、「退去はトラブルになるのではないか？」というイメージが定着しておりました。

極稀な事例では、大家さんの自宅部分の補修も同時に進行していて、費用の分離があいまいになっている場合さえ実際にありました。

しかし、最近では大家さんも揉め事には遭いたくない心理が大きくなり、 こういったボッタクリ行為は随分と少なくなったようです。
とはいえ、部屋の状態によって自己負担になるかどうか、 判断が難しいケースが多いのが現実であり、専門家の見解が必要な場合も少なくありません。