まるでゴミ屋敷!実家退去
意外に揉める賃貸から退去での問題。東京ルール・・・と言ったところで、どこか法律だけでは仕切れない人間の感情がからむもの・・。
この部屋は、女子サッカー界のレジェンド・澤穂希の実家で、彼女の母・満壽子さんが22年間暮らした部屋だった。
満壽子さんは今年1月に自身の子育てエピソードを『チャンスの波に乗りなさい』として刊行した。そのなかでは澤が15歳のときに離婚したことも書かれているが、シングルマザーとして再出発したのが、このアパートだった。
しかし、大家は言う。
「(満壽子さんが)一度も掃除なんてしたことがないんじゃないかというくらい、部屋の中が散らかっていて、足の踏み場がないほどでした。まさに“ゴミ屋敷”になってしまったんです。何年かして娘の澤さんは、近所で自分の部屋を借りて生活するようになりましたが、彼女の荷物も残っていたそうです」
大家は満壽子さんに対して激怒していたが、それには理由があるという。
「本の印税が入ったとかで、今年1月に引っ越していったんです。でも部屋を見て仰天しました。ひどくボロボロになっているうえに、掃除もしないまま出て行ってしまったんですからね。玄関のドアも交換しなくちゃいけないし、業者に改修費用を見積もってもらったら100万円と言われました。せめて一部でも払ってほしいのに、(満壽子さんは)全然取り合ってくれないんです」
家賃は8万円で、敷金は11万円だったという。
「1月分の家賃も払ってくれなかったので、敷金からの支払いになり、残りはたった3万円! でも“それで精算できるはず。こちらには負担の義務はない”と、弁護士の名前で通知が来ただけです」
大家の怒りの告発について、満壽子さんはこう答えた。
「娘も結婚したもので、私も心機一転をはかるために転居しました。もちろん長いこと住んでいましたから、フローリングや畳が傷んだりなど、いろいろあるでしょう。でも弁護士と相談しましたら、『リフォームは先方が負担すべきで、追加して払う必要はない』とのことでした。確かに大家さんには、ずいぶんお世話になりましたが、何だか最後に揉め事になってしまって残念です」
トラブルは認識しているが、大家の請求に応えることは考えていないという。この問題について、東京都住宅局の相談員は次のように語った。
「確かにふつうに暮らしていて劣化したものについては、貸借人が負担する必要はありません。しかし、国交省のガイドラインにも記載されていますが、部屋を返却する際には清掃することが必要です。汚れっぱなしだったというのなら、大家さんはハウスクリーニング代を請求できます。また大家さんが、貸借人の使用方法が悪くて劣化が早まったと、考えているのであれば、少額訴訟裁判などで決着をつける選択もあります」
このピッチ外の大バトル、レジェンド澤は知っているのだろうか。